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常石張り子は、広島県福山市沼隈町常石で、現在も制作されている郷土玩具である。沼隈町は県東南部沼隈半島の南端に位置する造船とブドウ栽培が盛んな町である。今年2月、隣接する福山市と合併した。
この沼隈町常石で、明治20年頃、宮本久平が節供用の人形や玩具を作り始めたといわれている。正月には男子には破魔弓、女子には羽子板、三月節供には雛人形や娘物の人形、五月節供には武者人形、八朔の節供には八朔馬などを制作し、沼隈町内や尾道方面に売り出していた。町内では籠に人形を入れ、天秤棒で担いで売り歩き、尾道へは船便で輸送していた。しかし、土人形は担いで売り歩くには重く、また船便で送った人形も、破損して返却されることが多かったことから、明治44年頃、軽くて丈夫な張り子作りを思いついたという。大正末期までは土人形と張り子両方を制作していた。
二代目峯一は、明治38年13歳から家業を手伝い始めた。生来人形作りの好きな人であったといわれ、その生涯の間に数多くの人形を作り出した。昭和40年代には、息子夫婦の喜孝とヤスエが制作に加わり、昭和50年代にはその制作数も最盛期を迎えた。
昭和57年峯一の死後は、喜孝が三代目を継承し、平成二年には夫婦共に沼隈町重要無形文化財の指定を受けた。
平成3年には「羊」、平成12年には「辰」が年賀切手の意匠に採用され、全国的に知られるようになった。
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