こぼれ話−その2−

差歯高下駄をご存じでしょうか。かつて雨天用に履かれたものですが、台をキリで歯をカシで作っていました。堅いカシ歯は細く台裏の溝に差すものでしたが、ずっと古くは露卯(ろぼう)といって、歯の上の突起(ほぞ)を台にあけた孔に差し通すものでした。上段の下駄は、広島県福山市の草戸千軒町遺跡から出土したもの(広島県立歴史博物館所蔵)を復元製作したものです。実測図を使って左右一足にしてあります。
下段のものは中国のもので、やはり露卯(ろぼう)です。これは出土品ではなく、西安の民家にあったというもので、緒穴はありません。鞋(くつ)の下に付けて紐で縛って使ったそうです。中国では3世紀には木製はきものの記録があります。
古代、大きな影響を受けた「隣国・中国」ですが、似ているようで違うこともたくさんあるようです。
ちなみに、日本の最も古い露卯差歯下駄は12世紀後半のもので、義経ゆかりの奥州藤原家の屋敷跡である柳之御所跡から出土しています。

戻る
東南アジアと南アジアへ