第一会場(多目的ホール)

 

 カニハワセ

鹿児島県揖宿郡山川町岡ヶ水地区

(協力:山川町教育委員会)

鹿児島県揖宿郡山川町岡ヶ水地区 

山川町は鹿児島県南部、薩摩半島の東の端にあり、古くから南方貿易や漁業の港として栄えた。

ここでは雛祭りを「ヒナジョユエ」、雛段は「ヒナジョヤマ」という。「ヒナジョヤマ」は杉の葉や竹垣で囲った台の上に浜砂を敷き、盆景用の石や柴、松などを飾り、生きたウニ・伊勢エビ・カニなどを這わせる。生きた海の幸を這わせるのは、子どもの健康を祈り祝福するためと言われている。

現在は衣装雛を飾るが、昔は糸雛や紙雛、土人形などを飾ったという。

山川町以外にも愛媛県と宮崎県に、家の中に大がかりな雛飾りをする地域がある

愛媛県八幡浜市穴井地区

ここでは「座敷雛」とよぶ。二間つづきの座敷と縁側いっぱいに庭園を造り、内裏雛や親戚から送られた様々な人形を飾る。

昔は「桶の中で貝がゴソゴソ動くと雛さんが喜ぶ」といい、浜で拾ってきた生きた小さな巻き貝を桶に入れて飾ったという。

 

宮崎県東諸郡綾町 (協力:綾町産業観光課)

綾町ではこの飾りを「ひな山」と呼ぶが、宮崎県内でも江戸時代薩摩藩領であった地域でひな山は作られている。長女の初節供に親戚や隣近所の人々が集まり、畳の上にビニールシートを敷き岩石や大木で山を造り苔で覆い、水を流して川や滝を造る。そこに花木を植え、雛段や人形を飾ってひな山を造る。

3日には親戚などを呼び祝宴をひらき、翌日4日には「山くやし」といい、山立てに参加した人々が山鍬を担いで焼酎をさげて集まり、酒盛りをするという。

 

 

 柳川のさげもん飾り

    福岡県柳川市(協力:蒲池さげもんの会・     柳川市観光協会)

大渕家

古賀家

枝光家

柳川市は福岡県南西部、有明湾に面し、江戸時代は柳川藩の城下町として栄え、現在は柳川下りや北原白秋記念館など、観光の町として有名。

柳川でさげもんが飾られるようになったのは、江戸時代末期頃と言われる。女の子が産まれると、初節供に間に合うように、母親や祖母、親戚、知人らが集まり、「この子が一生幸せに暮らせますように」との願いを込めて、一針一針、さげもんを縫い上げる。柳川まりを中心に、縁起の良い鶴や亀、鯛、宝袋、三番叟、這いにんぎょうなどを七つづつ、七回り、計四十九個下げる。

 

 三次地方の雛飾り

広島県三次市(協力:丸本專一・丸本たかし氏)

広島県三次市は県北部の三次盆地に位置し、交通の要所、県北部最大の町として栄えてきた。

三次地方では旧暦三月三日に、男女いっしょに節供を祝って土人形を飾る風習があった。男の子には天神や武者人形、女の子には花魁や娘物の人形が親戚や知人から贈られた。

菱餅・ホトギ(餅を煎って砂糖をまぶしたお菓子)・白酒・桃や梅の小枝・トウロウガシ(赤や青に色付けした餅を小さく切り、人形や提灯の鉄型に入れ焼いてふくらませたもの)を柳の枝に吊した物などを供えた。