下 駄
古代から路上の湿気や汚物で足を汚さないためのはきものであったのが、「日和でも下駄履いて」と、雨天だけではない、常に履くものとなる。それが要因となって、形態に多様さが増していく。
差歯高下駄
台に別材で作った歯を差すもので、中世からみられた。主に雨天に用いられたが、漆を塗ったり表を付けたりされた。右の下駄には藺草畳をビロードで包んだ縁取り表が付く。用途のためか、関東には古くからの「足駄」という呼称を残した。
中刳り下駄
一木を刳り抜いた下駄で「馬下駄」といわれた初期の逆凹字形から変化したと考えられる。呼称は「駒下駄」と変わり、この下駄も中刳り駒下駄とも呼ばれた。浮世絵に最もよく描かれている形である。
中折れ下駄・堂島下駄
板状の台に表を付けた下駄は江戸時代独特のもので、草履下駄と呼ばれた。厚い台の中央に切れ目を入れたものを中折れという。後歯だけを切り出したものは、大坂堂島の米商人が履いたことから堂島下駄と呼ばれた。