展示資料紹介

 

 

 

 

  

 

 私たちの履く靴が今の形になったのは今世紀になってからのこと。20世紀の終わりのこの年に、それ以前にはどのような靴が履かれていたのか探りに来ませんか?当企画展には当館所蔵の民族的な靴38点、現代の靴4点の他、国立民族学博物館所蔵イヌイットの衣装2組(上写真)、同館所蔵のイヌイットの壁掛けを展示しています。靴の原初形態である一枚皮の靴<モカシン>を、ヨーロッパ・北アメリカ・アジアなどの地域性を比較し、多様性を見る展示になっています。また、現代のモカシンに見られる“歩行性のよさ”の要因も紹介しています。以下に展示資料の一部を紹介します。

 

 

 

 

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トルコ・カッパドキア地方のモカシン。羊の毛皮一枚で作られる。羊毛側が内側になる。つま先を縫い合わせ、周囲を締めただけのシンプルな靴。

 

 

アイスランドのオオカミウオの魚皮を用いたモカシンも爪先を縫い合わせ、周囲を締めただけの一枚皮のもの。あまり丈夫ではないが、軽くて暖かい。毛糸で編んだ中敷きを敷く。

 

 

しなやかな革でも、一度濡らすと堅く乾燥する。ルーマニアのオピンチもその手法を取り入れたものかも知れない。側面の立ち上がりを折り曲げるようにして形作ってある。長く残った綴じ紐を甲で結んで使用。

 

 

北米先住民のモカシンが一枚皮の靴の代名詞になっている。ビーズの飾りが北アメリカのモカシンの特徴である。写真の資料は19世紀後半頃のカイオワ族のもの。踵の革紐の束は、引きずることで平原を歩く靴跡を消したという。

 

 

つなぬき(綱貫)は江戸時代には既に日本で履かれていたモカシン。防寒用とされ、冬の山仕事で履かれることが多かった。京都市にて使用されたもの。猪革で作られることが多かった。写真奥は奈良県でヂグツと呼ばれるもの。

 

 

北海道のアイヌに履かれたチェップケリは、鮭皮のモカシン。底面の背ビレは雪道を歩く際の滑り止めになる。犬に持ち去られることもあったそうだ。

 

 

一般に短靴とされるモカシンだが、ブーツタイプのものもある。写真の二点はくるぶしより上部が別の革を縫い合わせたものとなる。二点ともスカンジナビア半島のソリ乗り用のもの。爪先の反り上がりは、ソリに乗る際フックとして使用する。

 

 

現代の靴にもモカシンの技術は生かされる。現代版モカシンはカジュアルにもビジネスにも適う靴として定評があり、“Uチップ”と通称される甲の切り替えに個性が光る。写真は大塚製靴製のビジネスシューズ。

 

 

一枚革で底から甲を立ち上げた「マッケイ式」、または「袋縫い」として作られていることが特徴で、それによって包み込むように足に馴染む履き易さが生まれている。画像は大塚製靴のカタログより。

 

 

モカシンの特徴は、軽さと柔軟性。その特徴は現代のモカシンにも受け継がれる。軽量化と歩きやすさを求めるビジネスシューズ、コンフォートシューズ、カジュアルシューズなどに生かされる。中底と表底を直接縫いつけることで生まれる軽快な歩行感には定評がある。
写真はエコー(アキレス)のウォーキングシューズ。

 

資料の一部を紹介しましたが、興味のある方はぜひお越し下さい。都合によりどうしてもご来館いただけない方に限りパンフレットの通信販売をご利用下さい。1部100円です。(B5版4ページ単色刷)ご希望の方は代金と送料計180円分の切手と郵便番号、住所、氏名を記した紙片を封書にて下記にお送り下さい。数量には限りがありますのでお早めにご請求下さい。事務処理に多少の時間がかかることが予想されますので、その点ご了承下さい。

 

申込先

郵便番号729-0104
広島県福山市松永町4-16-27
日本はきもの博物館 企画展パンフHP係

 

 

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