‘99 夏の企画展

四 国
おもちゃ風土記

会期 1999年7月29日(木) 〜 9月12日(日)

 

 

 

 古くから瀬戸内では海を渡って、経済・文化の交流が行われてきた。昭和63年に瀬戸大橋、平成10年には明石海峡大橋、そしてさらに今年の5月1日、広島県尾道市と愛媛県今治市を結ぶ、『瀬戸内しまなみ海道』が開通した。本州と四国をつなぐ、この三つの海道を渡って、新たな交流が始まることだろう。そこで本展ではしまなみ海道の開通を記念し、現在注目を集める四国を取り上げ、お国柄をあらわした数々の郷土玩具を紹介してみたい。
 四国の郷土玩具は、その温暖な風土を反映した、暖かくて、ユーモアのある玩具であふれいる。その他、海を渡って本州から影響を受けた玩具も多く見ることができる。

 

 

愛媛県
 
伊予の天神 
伊予地方は天神信仰の盛んな土地で、3月節句には、男子には土天神が贈られ、雛人形とともに飾られた。また、古くなったり、壊れた人形は川や海に流したり、神社や祠などへ奉納した。伊予地方には、松山天神、野田天神、上村天神があったが、三次土人形の窯元が愛媛県へもかなり多くの人形を出荷していたという話から、関西(伏見土人形)や中国地方の(広島県三次、三原土人形)人形なども飾られていたようだ。この風習は中国・山陰地方の風習とよく似ているのが、愛媛では松山を中心とした伊予地方にだけ行われていたという。

 

 

香川県
 
嫁入り人形
古くから高松地方には嫁入りの際に婚家の近所に人形を配る風習があった。この嫁入り人形は、縁起物の鯛えびすや、俵持ち大黒、牛乗り童子など数十種あり、中でも狆鯛、狆だるまなど犬が多い。これは犬が安産、多産であることから子孫繁栄を願うため。狆鯛は犬が前を向いていることから「いぬまい(嫁に行ったら帰らない)」という語呂合わせと、めでたい鯛とを組み合わせたもので、嫁入りには一番多く配られた。「デコさんいた(ください)、嫁さんいた。」と人形を貰いにくるこどもたちに分け与えられた。土人形のため落ちて割れたりしても、割れることが縁起がよいといわれた。この風習は昭和初期には廃れた。

 

 

徳島県
 
阿波の首人形
阿波は古くから人形浄瑠璃の盛んな所で、江戸時代末期にはこの地方で農村舞台が200棟、70座余りあったといわれる。
この人形芝居の人形が玩具になり、子供たちがこれに衣装を着せて遊んだ。阿波の人形浄瑠璃に使われる人形は木製だが、玩具の首人形は粘土で型は使わず、手捻りで作られる。

 

 

高知県
 
鯨船と鯨車
高知は江戸時代から捕鯨の地として知られている。室戸岬の鯨捕りの漁師たちが、漁の合間に壊れた櫓や銛を削って、鯨船や鯨車を作り、子供への土産にしたのが始まりといわれる。
高知のほかにも和歌山、長崎など捕鯨の地では、鯨の玩具が作られている。

 この企画展では、愛媛県のおもちゃを40点、香川県のおもちゃを50点、徳島県のおもちゃを20点、高知県のおもちゃを40点、展示しています。
 この企画展の資料として、パンフレット(1部100円)を販売しています。ご希望の方は、下記までご連絡ください。

TEL 0849-34-6644
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